
BC098 『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』
09/24/24 • 61 min
面白かった本について語るPoadcast、ブックカタリスト。
今回は、『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』について語りました。
スマホの登場によって、私たちにどんな変化が起こっているのか。
iPhoneが出たばかりの頃の自分は、それによるよい変化にしか注目していませんでしたが、最近はそこから起こる「よくないこと」にも注目するようになってきました。
特に、スマホという「最強の暇つぶしツール」を手に入れた我々は、いつのまにかほんのわずかな時間の退屈を耐えることができなくなり、結果的にこれまで以上に「退屈」という問題に悩まされるようになっている。
そんな問題意識を持って、この本を読んだ印象です。
自分が変わったなあ、と思うのは、こういう「〜について考えるためにこの本を読もう」みたいな観点で本を選ぶことができるようになった、ということです。
自分の読書力が上がったかどうかは、客観的に評価する手段はないんですが「気になってることを考えるために本を読む」ことがきちんと言語化できるようになったというのは、明確に進歩だと思います。
これは、ちゃんと他人に誇れる変化。
なんだかんだもう、100回近くもずっと本について話してたら、なにか変化はあるよね。それを身をもって体験できたことは大きいです。
ブックカタリスト100回記念イベント
というわけで、詳細はまたお送りする予定ですが、まもなく到達するブックカタリストの100回を記念して、東京のどこか(東京駅近辺の予定)で、100回到達記念イベントを行う予定です。
テーマは「ブックカタリストの語り方(仮)」
開催日は、11月17日の午後から夜にかけて。
詳細が決まり次第、またご連絡いたします!
今回出てきた本はこちらで紹介しています。 📖ブックカタリストで紹介した本 - ナレッジスタック - Obsidian Publish
This is a public episode. If you'd like to discuss this with other subscribers or get access to bonus episodes, visit bookcatalyst.substack.com/subscribe
面白かった本について語るPoadcast、ブックカタリスト。
今回は、『ATTENTION SPAN(アテンション・スパン) デジタル時代の「集中力」の科学』について語りました。
スマホの登場によって、私たちにどんな変化が起こっているのか。
iPhoneが出たばかりの頃の自分は、それによるよい変化にしか注目していませんでしたが、最近はそこから起こる「よくないこと」にも注目するようになってきました。
特に、スマホという「最強の暇つぶしツール」を手に入れた我々は、いつのまにかほんのわずかな時間の退屈を耐えることができなくなり、結果的にこれまで以上に「退屈」という問題に悩まされるようになっている。
そんな問題意識を持って、この本を読んだ印象です。
自分が変わったなあ、と思うのは、こういう「〜について考えるためにこの本を読もう」みたいな観点で本を選ぶことができるようになった、ということです。
自分の読書力が上がったかどうかは、客観的に評価する手段はないんですが「気になってることを考えるために本を読む」ことがきちんと言語化できるようになったというのは、明確に進歩だと思います。
これは、ちゃんと他人に誇れる変化。
なんだかんだもう、100回近くもずっと本について話してたら、なにか変化はあるよね。それを身をもって体験できたことは大きいです。
ブックカタリスト100回記念イベント
というわけで、詳細はまたお送りする予定ですが、まもなく到達するブックカタリストの100回を記念して、東京のどこか(東京駅近辺の予定)で、100回到達記念イベントを行う予定です。
テーマは「ブックカタリストの語り方(仮)」
開催日は、11月17日の午後から夜にかけて。
詳細が決まり次第、またご連絡いたします!
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BC097『生産性が高い人の8つの原則』
今回はチャールズ・デュヒッグの『生産性が高い人の8つの原則 (ハヤカワ文庫NF)』を取り上げました。
いわゆる「ライフハック」な考え方がたっぷりな一冊です。
書誌情報
原題
SMARTER FASTER BETTER: the secrets of being productive in Life and Business(2016/3/8)
単行本版
あなたの生産性を上げる8つのアイディア 単行本 – 2017/8/30
著者
チャールズ・デュヒッグ
ジャーナリスト。イェール大学卒業後、ハーバード・ビジネス・スクールにてMBA取得。「ロサンゼルス・タイムズ」「ニューヨーク・タイムズ」のライターを務め、現在は「ニューヨーカー・マガジン」その他に寄稿。2013年には「ニューヨーク・タイムズ」のリポーターのチーム・リーダーとして、ピュリッツァー賞(解説報道部門)を受賞。最初の著書『習慣の力〔新版〕』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)は「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラー・リストに3年間も留まった。第2作である本書も2016年、同リストにランクインした。
翻訳
鈴木晶
『愛するということ』、『猫に学ぶ――いかに良く生きるか』、『ラカンはこう読め! 』など多数。
出版社
早川書房
出版日
2024/3/13
目次
第1章 やる気を引き出す―ブートキャンプ改革、老人ホームの反乱と指令中枢
第2章 チームワークを築く―グーグル社の心理的安全と「サタデー・ナイト・ライブ」
第3章 集中力を上げる―認知のトンネル化、墜落したエールフランス機とメンタルモデルの力
第4章 目標を設定する―スマートゴール、ストレッチゴールと第四次中東戦争
第5章 人を動かす―リーン・アジャイル思考が解決した誘拐事件と信頼の文化
第6章 決断力を磨く―ベイズの定理で未来を予測(して、ポーカーに勝つ方法)
第7章 イノベーションを加速させる―アイディア・ブローカーと『アナと雪の女王』を救った創造的自暴自棄
第8章 データを使えるようにする―情報を知識に変える、市立学校の挑戦
付録―本書で述べたアイディアを実践するためのガイド
「生産性を高める」とは
インターネットの仕事術系情報では「生産性向上」や「productivity」といった言葉をよく見かけるわけですが、そのたびに私は「むむっ」と警戒フィルターを発動させます。
というのも、単にそれが「タスクをたくさんこなすこと」を意味しているのではないか、あるいは生産性向上のためのツールを使うことそのものが目的になっていないか、という懸念があるからです。
実際、一時間のうちに実行できるタスクが10から20に増えたとしても、そのタスクが効果を上げていないことは十分ありえるでしょうし、タスク以外の目を向けるべきものから目を逸らしてしまっていることもあるでしょう。はたしてそれは望ましい「改善」と言えるのでしょうか。
一方で、たしかに効果的(エフェクティブ)な状態というのはあって、メールを書こうとして、なかなか取り掛かれずに、インターネットを彷徨っている間に、新しいツールの情報を見かけて喜び勇んでダウンロードしてしまっている、という状態はあまり効果的な時間の使い方ではないとは言えるので、何一つ改善を試みようとしないというのも、それはそれで違う気がします。
本書では、「生産性を高めるのに必要なのは、今よりももっと働き、もっと汗を流すことではない」という明瞭な指針が掲げられていて、「まさにその通り」と強く感じられます。
以下のような定義も登場しますが、
最少の努力で、最大の報いが得られる方法を見つけること
体力と知力と時間をもっと効率よく用いる方法を発見すること
ストレスと葛藤を最小限にして成功するための方法を学習すること
大事な他のことをすべて犠牲にすることなく、何かを達成すること
これに納得できる人もいれば、そうでない人もいるでしょう。
それでも「生産性とは、いくつかの方法を用いて正しい選択をすることである」という根本的な方向性については同意できるのではないでしょうか。
さらに言えば──本編でも語っている通り──、「正しい選択をするために、自分は有効な方法を使っている」という感覚を持つことが、人生全般にわたる「やる気」の高め方なのかもしれません。This is Lifehacks.
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BC099 論文を書くとはどういうことか
今回は「論文を書くとはどういうことか」をテーマに、論文についての二冊の本を紹介しました。
それぞれ独自の魅力を持つ二冊です。
書誌情報
『論文の書きかた (ちくま学芸文庫 サ-55-1)』
著:佐藤健二
佐藤 健二(さとう・けんじ):1957年、群馬県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中途退学。東京大学名誉教授。博士(社会学)。専攻は、歴史社会学、社会意識論、社会調査史、メディア文化など。著書に、『読書空間の近代』(弘文堂)、『風景の生産・風景の解法』(講談社選書メチエ)、『流言蜚語』(有信堂高文社)、『歴史社会学の作法』(岩波書店)、『社会調査史のリテラシー』など。
出版社:筑摩書房
出版日:2024/5/11)
目次
第1 章 論文とはなにか
第2 章 「論」と「文」の結合
第3 章 〈文〉で論ずることの厚み
第4 章 主題・問題意識・問題設定
第5 章 通念の切断と思考の運動
第6 章 観察と対話の組織化
第7 章 調査研究のさまざまな局面
第8 章 2 項対立のあしらいかた
第9 章 リレーショナル・データベースとしての社会
第10 章 「クダンの誕生」の経験をふりかえる
第11 章 リテラシーの発見
第12 章 読書空間のなかで書く
第13 章 コピペと引用の使いこなし
第14 章 見えかたをデザインする
第15 章 研究倫理の問題
第16 章 編集者として見なおす
『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』
著:阿部幸大
日本の文学研究者。筑波大学人文社会系助教(2024年時点)。北海道出身。
出版社:光文社
出版日:2024/7/24
目次
原理編
第1章 アーギュメントをつくる
第2章 アカデミックな価値をつくる
第3章 パラグラフをつくる
実践編
第4章 パラグラフを解析する
第5章 長いパラグラフをつくる
第6章 先行研究を引用する
第7章 イントロダクションにすべてを書く
第8章 結論する
発展編
第9章 研究と世界をつなぐ
第10章 研究と人生をつなぐ
演習編
『論文の書きかた (ちくま学芸文庫 サ-55-1)』
本書は「論文を書くとはどういうことか」をさまざまな角度から論じていく一冊で、その場しのぎに論文を書き上げるためのテクニックではなく、研究活動の一環に論文の執筆をおき、その中でいかに研究を進めるのか=論文を書くのかが検討されていきます。
重厚な論述であり、著者の思考が垣間見れる面白さもあり、話題が枝葉のように広がっていて、それらがいちいち楽しめる魅力も持ち合わせています。
個人的には「文」に注目した論考が心に残りました。自分なりにまた展開させていきたいと感じます。
『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』
きわめてテクニカルでプラクティカルな一冊。それでいて著者の熱さも伝わってきます。「まったく新しい」という看板に偽りはありません。
一冊目の本に比べると重厚な論述感は小さいものの、シャープで説得的な論考は一気に引き込まれます。でもって、アドバイスが非常に役立つ。学術寄りの知的生産を行うなら必携の一冊でしょう。
こちらも単に表面的なノウハウを提示して終わりにするのではなく、論文を書くときに必要な「頭の使い方」を提示してくれている点が魅力です。
個人的には、本編でも語ったようにアカデミックではないライティングの方向性を検討してみたいと思います。
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